ドアの前でずっと下を向いていた桃子は黒神のその言葉を聞いて顔を上げた。 ずっと言って欲しかった言葉。 ずっと.....誰かに言われたかった言葉。 それを言ってくれたのは、お母さんでも、お父さんでも、おばあちゃんでもおじいちゃんでもない。 血のつながらない赤の他人の出会ってから3週間しか一緒にいない人が 9年間 桃子がずっとずっと求めて、言って欲しかった言葉を 言ってくれた。