「はいたらダメって」

「そうか、入っていいぞ」


そう言って桃子の手を取って中に招き入れた。


黒神は最初から気配で誰かがドアの前にいることがわかっていた。

それが桃子だと言うことも。

子供の歩幅と大人の歩幅は違う。
なのでその足音で桃子だと気がついた。

でも、なかなか入ってこないので様子を見ていた。

しかし痺れを切らして黒神からドアを開けたのだ。