攫われた人間はパパの星の最新技術で簡単な手術により、都合の良い記憶を植え付けられ幸せに暮らしているそうだ。
 なんでも、パパたち宇宙人と人間は次元が違うらしく、人間が負担にならないよう宇宙人側が次元を合わせているようだ。
 そしてパパは自分の星で飼うだけでは我慢出来ず、人間に擬態して地球に住むことにしたらしい。
 地球に移住し、最初のペットとして選ばれたのが、わたしになる。
 以上の話をわたしは孤児院からパパの家までの車内で説明され、パパが宇宙人だという証拠を嫌と思うほど見せられた。
 そして住宅街に入り、白い柵に囲まれた大きな赤い屋根の家と広い庭が待ち構えていた。今までとは比べものにならないくらい立派な家に、ペットとはいえ良い暮らしが出来ると思った私はこの状況を受け入れて今に至る。