「さて愛子、次は何を買おうか?」
「……もう充分だと思うよ」

 わたしに必要な物がないかと聞くパパの両手には、沢山の紙袋がぶら下がっていた。紙袋の中身は全てわたしが使う物しか入っていない。流石に家具は運べないので、家に配達するように手配していたが、これは買い過ぎでしょ。
 まさかわたしが欲しいと言った物をパパは値札を見ずに即買いするとは思わなかった。
 可愛いとうっかり呟いた高い洋服も、思わず魅入ってしまった可愛らしいベッドや勉強机も。わたしが気に入ったと知ると全部買ってしまった。
 欲しいと駄々をこねる子供を嗜める親子連れの前で、わたしの欲しい物を大量に買うパパを見た時は罪悪感を覚えるくらいだ。