「あ、す、すみません!私、勝手に…」

必死に謝るさくらに、祖父がじわりと近づいた。

「お、お前さん。もしかして、その木が見えるのか?」

え?と、さくらは首を傾げる。

「え、あの、私、なぜだかこの木に呼ばれているような気がして、思わず触れてしまって…」

そこまで言って口をつぐむと、何かを考えてから不安そうな目をした。

「あの…私、どうしてここにいるんでしょうか?ここはどこですか?」

祖父が大きく息を吸い込んだのが、北斗には分かった。