「さくらー、まさかこんな日が来るなんて…」

遥は、ハンカチを握りしめて涙を拭う。

「私より先にいなくなるなんてー。あー、これから仕事するのも心細いよー」
「遥、また会えるから。いつでも遊びに来て。ね?」
「えー?だって、田舎でしょ?虫出るんでしょ?」

さくらは、うぐっと言葉に詰まる。

「そ、それはまあ、そうね」
「やだー、行けないー。あ、じゃあさ、今度一緒に海外旅行行かない?ハワイで合流とか。ね?」
「ああ、うん。まあ、そうね」
「やったー!じゃあ、その時までバリバリ稼いでおくわね」

遥はにっこりと、いつもの笑顔で言った。