「あ、もしもし、さくら?無事に帰ってきたよ」
「良かった、お疲れ様。北斗さん、私、まだ外にいるので、帰ったら電話しますね」
「そっか、うん、分かった。じゃあ待ってるね」
「はい、またあとで」

電話を切ったさくらに、遥がグッと顔を近づけてくる。

「いやーん!なに?北斗さんっていうの?」
「あ、そう。神代 北斗さん」
「キャー!もう、興奮しちゃう!さくらが、恋人と電話してるなんて」

遥、ちょっと声大きいよと、さくらは店内を見回す。

「今日はもう、全部説明してもらうからね!」

料理もそっちのけで、遥はひたすらインタビュアーのように、さくらを質問攻めにした。