後ろから笑い声が聞こえながら、知らないフリして歩いていると、見えてきた家の前に誰か立っている。
そこに歩みを止めずに近づくと、見覚えのある姿がハッキリ見えてきて。


「美桜……っ!!」


家の前でソワソワしながら立っていた人物は、私の姿を見ると走って駆け寄り抱きついてきた。


「な、南朋……?」


南朋が、今私に抱きついてきてる状況に困惑。
すぐ後ろから聞こえてきていた真紘くんの足音もピタリと止んで止まっているのがわかる。

南朋は、私の体をバッと離すと


「無事か…っ!?三年に絡まれたって聞いて……っ」

「え……?」


心配したという顔で私のことを見つめてくる。
絡まれたって、お昼の三年生のこと……?


「現場を見てた奴が教えてくれたんだ……。三年の問題児が、美桜に声かけたって」


問題児……?あの人たちが……?と思ったが、だから周りの人は見てるだけで助けようとしてくれなかったのかと納得。