「…ふっ、あははっ……!」
「!?」
急に声を出して吹き出した真紘くんに思考停止。
なんで笑うの……っ!!
今自分が真っ赤な顔をしているのはわかっている。
その顔のままギロりと睨んでやるけど、
「もしかして、さっきのこと気にしてる?」
「え…っ」
意地悪そうにそう言ってきた真紘くんに、睨む力も抜けてしまう。
分かってるならからかわないでよ……っ。
「図星じゃん」
「…だ、だって……っ」
「…いいね。そうやってずっと悩んでなよ」
「はあ……っ!?」
何言ってるの……どういう意味……っ!?
真紘くんはニヤッと口角を上げて、
「可愛いなあ」
なんで言ってくるから、もうキャパオーバーだ。故障してしまう。
……でも、逆にさっきよりかはいつも通りでいれるようになったかもしれない。
私は、もうっ!と怒ったように顔を逸らして真紘くんの前を歩き始める。
幸いなことに、もうすぐ家着くもんね……っ!

