すると、いつも通りの真紘くんに戻って私の手を引いてくる。
その行動にも困惑。
「教室戻ろ。飯食えなくなる」
「え、あ、うん」
そのまま引っ張って空き教室を出る。
私はそれに着いていくことしか出来なくて、頭の中は真っ白。
……ああ、もう、うるさいよ心臓…っ。
今、私の手はすごく熱いと思う。その手を引いている真紘くんに、私のドキドキがバレてしまいそう。
ねえ、なんで……?
声に出ない問いかけを、真紘くんの背中にした。
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「……」
放課後。あれから授業なんて耳にも入らずぼーっとしてたらいつの間にか学校が終わっていた。
今も席に座って窓の外を見つめながら真紘くんを待っている。
……帰り……真紘くんと二人きり……。
どう頑張ってもさっきの真紘くんの言葉が思い出されてしまって。それに悩むの繰り返し。
「美桜、帰ろ」
気づかないうちに、私の近くに立っていて少し身体がビクッと反応する。
それと同時にバクバクと鳴り始める心臓。

