……なんだか、クラクラするかも。
ズキズキと頭が痛み、疲れているのかなとギュッと目をつぶると、リビングのドアがガチャッと開いた。
「おはよう南朋」
制服に着替えた南朋が起きてきて私を見ると「おはよう」と返ってくる。
南朋は、昨日ゆっくり休んだおかげで元気そう。
「美桜のおかげでお兄ちゃん完全回復〜」
「…よかったね」
……回復しすぎかもしれない。調子が良すぎる。
「お弁当、できてるよ」
そう言い、私のより一回り大きい黒のお弁当箱を南朋に手渡す。
「ありがとう。俺今日友達に早めに来いって言われたから先に出るね。帰りは普通に帰るから」
「わかった」
南朋は、いつも家の事とか忙しいから放課後遊んでくることとかあまりないし、モテるけど彼女はいない。
……別に、遊んできてもいいのに。
南朋は、朝ご飯を食べ終えるとバタバタしながら準備をして家を出ていった。
スクールバッグに荷物を入れて、もう一度ため息をつく。

