この人達に言われる、可愛いはなんでこんなに違うんだろう。
嬉しくない。気持ち悪い。
でもなんで、真紘くんの言う可愛いは─────
「……俺の美桜に、触んなよ」
真紘くんの声は、こんなにも私の心臓をざわつかせるんだろう。
私の近くから聞こえてきた低い声。振り向くと、考えていた人が笑顔なしに立っていて。
いつの間にか私を掴んでいた気持ち悪い手は離れていて気づけば彼に、手を握られ引き寄せられていた。
「…ま、ひろくん……?」
なんでここに、いるの……?
でも、そんなことはどうでも良くて。真紘くんがここに来てくれたことにほっとしている。
それに、『俺の美桜』って……。
かああ、と体温が上がったのがわかる。
そんな私を見た真紘くんは、少し強引に私の腕を引き寄せて正面から抱きしめる形を取ってきた。
「そんな真っ赤な顔、みんなに見せちゃダメだよ」
「……え?」
「…もう大丈夫だから。安心しろ」
ボソッと私の耳元で言った真紘くんは、すぐにニッコリ笑顔になって私を安心させてくれた。

