薄い味付けをしたお粥を作り、南朋に声をかけるといつもご飯を食べるテーブルにお粥を持っていく。
「南朋、明日も一応休んだら?」
「うーん…そうしようかな」
南朋の座っている席の前に座り、話をする。
「熱だけ?」
「あと頭痛いかな。学校で熱計った時は38度ぐらいあったけど、寝たら少し下がった」
……結構高いな。これは絶対明日休ませよう。
薬あったっけ……。
「ん!お粥美味い!」
お粥を冷まして、口に運ぶと嬉しそうに笑う南朋。なんだか胸がむずむずして暖かくなる。
きっと、嬉しいんだ。
そんな私をみて南朋は少し切なそうに微笑んだ。
「美桜の笑顔はかわいいよ」
「…ちがうよ」
それはないよ。だって私は変だもの。
南朋は私のことわかってくれている。小さい頃は私だって、お喋りでよく笑う女の子だった。
……それを知ってるから南朋は、複雑なんだろうな。
「昔の奴の言葉なんて気にしなくていいのに。こんなにも美桜は可愛いのになあ」
「気にしてないよ。」
そんな、分かりやすい嘘をつく。
南朋はいつもは私に気を使ってこの話題は出してこない。きっと今は熱があるからだろうな。

