「ほら、美桜ちゃん困ってるじゃん……っ!ごめんね美桜ちゃん!」

「姫宮さんのせいでしょ?」

「…やめなよ。全然わかんないから」


というか、やめてほしい。
周りの人はこの会話は聞こえてないからよく理解出来ていないんだろうけど。
仲良いのか、仲悪いのか全然わかんない。

でもなぜか、言い争っている二人を見て少しだけモヤモヤして違和感を覚える。
…なんだろ、羨ましいのかな……?


「美桜」

「え?なに?」

「今日も俺と帰ろうね」


柚希くんは私に向き直ると、そう言ってくる。
今日"も"って……。周りに聞こえたらどうするの……っ。


「え!?ずるいよ!ていうかだめだよ!」

「なんで?姫宮さんは部活だよね?」

「う……」


桜は急に慌てだして私の盾になるように柚希くんの前に立ちはだかるけど、柚希くんにそう言われ小さくなってしまう。


「美桜ちゃん!気をつけなきゃだめだよ!」

「…わかった」


全然、わかってないけど、一応返事しとく。
何を気をつけるの……?