南朋はなんだか嬉しそうに笑って、
「俺の妹はかわいいなあ……っ!!大好きだぞ美桜!!」
「……うん、ありがとう」
'いつも通り'の南朋に'いつも通り'の返事をする。
こんなことは日常茶飯事。
この男は、異常に過保護。シスコンってやつなんだろうな。
「南朋、お昼はなんか食べた?」
「食べてない。寝てたし、お弁当だと体調的にちょっときつくて」
家での食事担当は、基本的に私だ。
お母さんは忙しいし、ほとんど顔を合わせられないから、私と南朋が家事をしている。
お弁当も、私と南朋の2人分作って、たまにお母さんの分も作る。
「じゃあ、もう夕方だし何か作るよ。お粥?」
「うん、お願い。ごめんね」
きっとこのごめんねは、"今日手伝えなくてごめんね"っていう意味。
いつも、夜ご飯作るの南朋は手伝ってくれるから。
「全然いいよ。辛かったら寝てて」
少し、気持ち口角を上げてみる。
多分、上手くは笑えてないけど。それを南朋は知ってるから。
南朋は「ありがとう」と笑い返してくれた。

