あれから、家まで送ってもらった。その間もずっと手は繋いだまま。
家に着いて別れると、来た道を帰っていったからなんだか少し申し訳なくなってしまう。

……それよりも。
柚希くんの帰っていく後ろ姿にドキドキして、さっきまで繋いでいた方の手が熱い。でも少し寂しい気もする。

初めての経験ばかりで変な気持ちだ。
……私、人に頼ったことなんてないから。今まで寂しかったのだろうか。なんだか柚希くんの後ろ姿を見つめているとすごく暖かくて泣きそうになる。


『いいから、俺の言うこと聞けよ、美桜』


……〜〜っ!!!
急に、そんな言葉が思い出されてハッとする。
ゆ、柚希くんといると暖かいけど……っ、落ち着かないんだってば……!!
ブンブンと頭を振って思い出さないようにして、家に入った。



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「おはようっ美桜ちゃん!」


次の日の朝、教室に入ると1番に私に駆け寄り声をかけてくる桜。