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「ただいま」
退屈な学校が終わり、家に帰ると玄関に男の人の靴が。
……南朋、帰ってきてる。
いつも私より遅いのに、帰ってきているみたいで。
お母さんはいつも夜遅くまで仕事、お父さんは海外で仕事。
私が頼れるのは、南朋ぐらいしかいない。
靴を脱いで、リビングのドアを開けると、
「美桜、おかえり」
ソファに座っている南朋の姿が。
でも、なんだか……
「どうしたの?顔色悪くない?」
……顔色悪い。頬は赤く染っているのに、でもどこか体調が悪そうで。
「あー、なんか風邪引いちゃったみたいで。早退した」
「……熱は?大丈夫?」
だからか。私と珍しく朝の時間が合ったのは。
南朋はいつも私より早く行くのに、今日は起きてくるの遅かったし準備もゆっくりでなんだかだるそうだった。
「微熱ある」
「ゆっくりしてて。ごめん朝気づかなくて」
冷蔵庫から水を出して、南朋に渡す。

