振り向くと同時に、私が外に出れないように両方の腕が私の横について。
後ろは壁、左右は腕、前は…柚希くん。
「…っ、ちょ、」
「いいから、俺の言うこと聞けよ、美桜」
上から降ってきた聞きなれない低い声と口調。
……っ、え?
なぜか心臓がドクンとなる。
目の前にいる柚希くんが知らない人みたいで、逃げだしたくなる。
「ゆ、柚希、く……」
「言うこと聞かないなら帰さねえけど」
「…っ、」
恐る恐るゆっくりと顔を上げて柚希くんを見ると、いつもの笑顔は浮かんでない。
その目はたまに見るような危険な雰囲気の目で。でもいつも以上に、熱を帯びていて何を考えているのか分からない。
……っ、これが、柚希くん……?
目が、逸らせない。その目を見つめて動けない。
「なあ、聞いてる?」
「…っ、あ、の」
「怖がってんの、いいねえ。たまんねえわ」
もう隠す気がないのか、ずっと口調が乱暴で。
私は、まだ状況を理解できない。

