「…うん、ありがとう」


正直、学校生活で困ったことはほとんどないし、頼ろうにも頼れることはない気がするけど。


「…宇原さんって、意外と素直だよね」

「そう?」

「うん。こないだ熱出した時も思ったけど」


あー、確かにそんなこと言ってたような気がする。
まあ確かに、柚希くんとこんなに話すのは何気に初めてだし、私はいつも冷たい人って思われがちだから疑問に思うのもわかる。


「あ、でも俺以外の男に頼っちゃダメだよ」


あ、と思いついたようにそういう柚希くん。
……柚希くんじゃなきゃダメってこと?


「わかった?」

「…わかったけど、私男の人に頼れる人いないし」


そんなこと言わなくてもわかってるというか。
女の子でも話したことあるの桜ぐらいだし。
というかまず頼ること事態ないのでは。


「なら安心だね」

「…」


なんかもう、全然わかんない。
すると、そんな私に気づいたのかまた手が伸びてきて頭にポンと乗る。


「まあ、まだ分かんなくていいよ」


と笑った柚希くんの目はまた危険でゾクッとする。