「…まあ、お母さん忙しいから」
お弁当作ってること別に隠していることでもないし、こくりと頷く。
「すごいね宇原さん」
「…すごいの?……よくわからない」
「すごいよ、俺ならすぐめんどくさくなっちゃう」
うんうんと頷きながらそういう柚希くん。
……意外とめんどくさがり屋だったりするのかな。
「俺にも、いつか宇原さんの手料理食べさせてね?」
「うん……え?」
反射的にうんと返事してしまうけど、よく考えると疑問に思う。
……私の手料理?食べたいの?
なんか柚希くんって、不思議な人だなあ……。
って思う。
「でも今まで大変だったと思うからさ。これからは」
「……?」
「俺に頼ってよ」
「え?」
「同じクラスなんだし。どんな事でもいいから」
ね?と首を傾げて笑う柚希くんに、少し心臓が速くなる。
頼れる人が南朋しかいなかった私はそんなこと言われたの当然初めてで。嫌な感じはせず、その言葉はむしろ嬉しい。