「美桜ちゃんは私が守るんだから!」
「…えーと、桜……?」
「なあに美桜ちゃん!!」
すごい。切り替えが早い。
でも正直、今はすごく助かる。困ってたのは事実だから。
「わあ。ライバルかな?やだなぁ」
さっき声が低かったのは幻聴だったのか、また元の調子に戻る柚希くん。
私の方に向き直した柚希くんは、
「そろそろ時間だし、今は席戻るね」
そう言ってUターンする柚希くんの背中を眺める。
"今は"席戻る……ってことは、また話しかけてくるのかな。
柚希くんが席に戻ったことで、周りの子達もまたザワザワし出す。
「嘘でしょ……宇原さん、意外と天然?あの顔で自分の可愛さに気づかないとか普通ある?」
「ギャップすぎない?女でも惚れるわ」
みんなそれぞれ会話しているけど内容までは分からない。
「ねえ美桜ちゃん。あの噂って、本当なの……?」
「……」
「やっぱり本当なんだね!?」
私の無言を肯定と受け取った桜はガッカリしている様子。

