「まあ、とりあえず風邪治ってよかったよ」
……あ。
そうだ、一応私この人に助けてもらったんだった。
「…あの、柚希くん」
「ん?」
「……ありがとう、色々」
少し、ほんのすこーしだけ、口角が上がったのではないだろうか。ほぼ変わってないかもしれないけど。
ちゃんとお礼を目を見て伝える。
「……っ、あー。いーえ、俺がしたかっただけだから」
また一瞬ピタッと止まって、そう言葉を続ける。
そのまままた柚希くんの手が動いて、頭に移動しそうになる。
え、ま、また……っそれはちょっと、恥ずかしいかもしれない…っ。
近づいてくる手に身体の体温が上がり、思わずギュッと目を閉じる。
と、その時。
「…み、美桜ちゃんを困らせないで……っ!!」
横から聞こえてきた高い声に顔を向けると、柚希くんを見て睨んでいる桜。
「……なに、姫宮さん」
どこか、少し低くなった声。でも顔はずっと笑顔。
……?柚希くん……?

