「…良い奴だよ、真紘は。美桜のことを落とした奴だからな」


私たちの会話を横で見ていた南朋は、口を開いた。
な、南朋が……真紘くんのこと褒めてる。


「あらっ、真紘くんって言うのね…っ!お礼しなくちゃかしら……っ?」

「お、お母さん……っ!」


そんなに張り切らないでよ……っ!恥ずかしいから……っ!!


「美桜の笑顔は可愛いのよ。世界で一番、ね」

「大袈裟だよ……」

「あら、私は本気よ?」

「俺も言ってんじゃん。美桜の笑顔は可愛いって」

「……もう黙ってくれないかな……」


そこまで言われるとやりづらいよ……。

でも、お母さんが帰ってきただけでここまで賑やかになった。
南朋と二人は気が楽で楽しいけど、少し寂しさもあったから。

……幸せ、か。
真紘くんに出会ってから、何もかもが変わったなあ。
やっぱり私は……真紘くんのことが大好きだなって改めて思う。

笑っているお母さんと南朋に、つられて私も笑顔になった。