「ずっと表情の変わらない美桜を見て、笑ったらどんな顔するんだろうとか思ってたから、いつか見れるように目で追ってたんだと思う」

「……え?」

「今思えば、そんときから気になってたのかもな」

「……」


なにそれ。どういうことなの。
心音がドクドクと加速していく。手が震えてきているようにも思える。


「だからこそ、美桜の顔色が悪いのなんとなく気づいてて。美桜は覚えてないかもしれないけど、俺朝に美桜にプリント渡したじゃん」

「あ……そういえば」

「あれ、本当は先生が美桜に自分で渡そうとしてたんだ。だけど、俺が渡すって言ってプリントを預かった」

「え……っ?」

「俺も驚いたよ。なんでこんなこと言ったんだろうって」


あの時、真紘くんはみんなに浮かべてるのと同じ笑顔で、声掛けてくれたんだよね。
でも、まさか体調悪いの気づかれてたとは思わなかった。


「その後からも声かけようとしたよ。保健室連れていこうかって。でも多分、美桜は望んでなかったよね」

「うん……」