重い瞼をゆっくり開くと、


「美桜……っ!!」


目の前には南朋の顔。そして見慣れた部屋の天井。

あれ……?私……帰ってきたの?
ぼーっとしているの、南朋は安心したようなため息をもらして少し怒った顔をした。


「…よかった……なんで言わなかったんだ」

「…え?」

「体調悪かったこと。休めばよかったのに」


……心配、してくれてる。
私が倒れたから。泣きそうな顔をしている南朋を見てなんだか申し訳なくなってくる。


「……ごめんね、南朋」


しゅん……と眉を下げて謝ると、南朋は私の頭を撫でてくれて。


「俺もごめん。風邪移したみたいだな。お兄ちゃんが看病してやるから」

「……でも、少しだけ良くなったよ」


さっきよりも、頭の痛みは消えてきている。

……ん?さっき?


「…っ、あ」