ふわりと笑った柚希くんの笑顔に、なんだかドキッとして見とれてしまう。
彼が貸してくれた上着を羽織る。


「…かっこいいね、宇原さん」

「……?」

「見てたよ。俺だったら、あんなことしないかも」


……?何を言ってるの?あの柚希くんなら、人が困ってたら絶対助けるでしょ。

でも、もう返事する気力なんてなくて。


「…も、だめ……」


そう呟いて徐々に重たくなる瞼の隙間から見た柚希くんは、なんだか色っぽく笑っていた。


「……かわいいね。ほしくなっちゃった」


そう声が聞こえたあと、意識が途切れた。