「二時半ぐらいか…ちょうどいいな」
「そうだね」
もう一つ行きたいところ、行けそう。
でも……どこに行くんだろう?
「そんな遠くないから。歩くことになるけど、疲れてない?大丈夫?」
「うん、大丈夫」
水族館を出て、真紘くんが私に向き直ってそう聞いてくれる。
……優しいな。
私が大丈夫と返事をすると、ニコッと笑って手を引いてくる。
今日はずっと、心臓が騒がしい。
水族館から10分ほど歩いたところ。
その間も、色んな人から視線を感じて周りを見ると女の子達はみんな真紘くんを見て目をハートにしていた。
……モテるな、と少しモヤモヤするけど、今日真紘くんと出かけられていることが嬉しいから!と受け入れる。
「ここだよ」
「…っ、わあ……!」
道を歩いていると、周りにあった建物は少なくなって広くなる。
目の前にはピンクだったり、白だったり、青だったり、紫だったりとお花が絨毯のように咲いていて。
…すごく綺麗。

