真紘くんの方を見ると、私と同時に真紘くんもこっちを見て。
にこっと笑って手を振っているからドキドキせずにはいられない。
あんなにもどす黒い笑顔浮かべたりもするのに。そういう素の笑顔を向けてくれるのは、私だけがいい。

ギュッと胸の当たりを掴む。
……真紘くん、なんでデートなんて言ったんだろう。
抱きたくもない期待が心に浮かび上がってくるのを、必死に否定した。


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あれから、真紘くんが私のところに戻ってきて水族館をまわる。


「あ、このお魚可愛い……っ!」

「ほんとだ。可愛いね」


「このお魚カップルかなあ……仲良しだね」

「そうっぽくね?お幸せになお前ら」

「……お前らって。知り合いか」


私と真紘くんは他愛もない会話をしながら、楽しんだ。

するとあっという間に、水族館の入口に戻ってきていて、一周したみたいだ。