「美桜、帰ろう」
「うん」
桜と入れ違うように、真紘くんは荷物を持って私のところにやってくる。
「それにしてもやばいね、この雨。修学旅行可哀想だわ」
「…そうだね」
そう言って歩き始めた真紘くんに全力で共感する。
私が三年生の立場だったら、帰った方がマシだろうな……。
「真紘くん、今日は家まで送らなくてもいいよ?」
天気やばいし……危ないから。
そう思って、真紘くんに伝えると少しムッとした顔をして。
「無理。送る」
「でも……」
「危ないだろ。心配」
「……ありがとう」
そうさりげなく心配してくれる真紘くんに胸が高鳴る。
……優しいところも、あるんだよね。
しかもそれは真紘くん曰く、私だけらしい。それがなんだか嬉しいと思ってしまう。
「……じゃあ手繋ぐ?危ないから」
「え…っ」
こういう不意打ちは、よくないと思う……。

