「…なんであんな真紘って人気なんだろうね」
「さあ……顔と性格じゃない?」
「猫かぶってるじゃん」
「確かに……?」
そんな女の子達を横目に、理解できないとでも言いたげな目をしてそういう桜。
確かに、否定はできないな。そう思っていると、
「真紘くんこっち来てない……!?」
近くにいた一人の女子がそんなことを言う。
私はその方向に視線を向けると、真紘くんは試合前に走ってこっちまで来ていて。
……あれ、今私、目合ってない?
走ってる真紘くんは明らかに私と目が合っていて。少し身構える。
するとあっという間に真紘くんが私の目の前までやってきた。かと思うと、
───グイッ
真紘くんは私の腕をグイッと引っ張り、私の耳元に寄せてくる。
「…見てろよ、美桜」
「……っ」
髪を縛っているからかいつもより吐息も声もはっきり聞こえて、恥ずかしくて声にならない。
そのまま腕を離して、意地悪そうに微笑んだ真紘くんに、赤面せずにはいられなくて。

