真紘くんも、心配しててくれたのかな。なんて思うのは自意識過剰だろうか。
「ちょうどよかったわ。噂広まってるとこ悪いんだけど、美桜と教室まで一緒に行ってやって」
南朋がそう言う。
まあ、そうだよね。教室行くのにおかしなことなんてないもんね。
「…俺、南朋先輩に認められてきてます?」
「……言っとくけど、美桜可愛いほど鈍感だから」
「そうっすね」
ありがとうございます、とよく分からないタイミングで意味ありげにお礼を言った真紘くんに少し笑った南朋は私の頭を撫でた。
「じゃあな美桜」
うん、と返事をするともう一階上に上がって自分の教室に向かう南朋。
「行こ、美桜」
「うん」
すると真紘くんは私の隣まで上がってきて、そのまま歩き始める。
「また噂広まっちゃったな」
「…そうだね」
「まあ、俺からしたらラッキーだけど」
「……?」
ラッキー、なのか……?
迷惑ではなさそうだからそれならいいけど、でもラッキー……?
…うん、やっぱりよく分からない。

