「……広まったな」
「はぁ……またか」
二人して困ったようにそう言う。
毎回毎回間違ってはない噂だから否定もできないしなあ。
はあ、とため息をつく。
玄関で靴を履き替えて、南朋とは別れると思ったのに、
「教室まで行こうか?」
「え!?」
と言ってくるからさすがに驚く。
教室まで……それはさすがに、クラスの目もあるし……。
「……じゃあ、二年の廊下まで」
「心配だけど、それでいいか」
え、それでも心配なの……?
ここまで過保護だったのか……と少し呆れるが、諦めて南朋のあとをついていくことにした。
階段を上がって二階に着いた時。
「あれ、美桜?」
後ろから声がして、振り返るとそこにはちょうど登校してきていた真紘くんがいた。
「あ、真紘くん」
「おお、真紘か」
南朋と振り返りそう言うと真紘くんは珍しそうな目で私たちを見た。
「二人で登校してきてたんですね」
それなら安心、とでも言うような顔をした。

