すると、南朋は私の顔を見て驚いたような顔をした。
「……?南朋?」
「…ううん、なんでもない。よし!今日は一緒に餃子作ろうか!」
一瞬南朋は嬉しそうな、泣きそうな顔をした。かと思うと餃子を作ろうと提案してくるから、少し楽しみになる。
家に入る前に、後ろを振り返る。
真紘くんは私に向かって笑顔で手を振っていて、
「また明日、美桜」
と言って真紘くんもUターンして帰っていく。
「……うん。ありがとう、真紘くん」
その背中を見つめて、私も家に入った。
家に入ると、南朋は私の頭をわしゃわしゃと撫でてくる。
……さっきからどうしたんだろう、南朋。
そう思うけど、嬉しさが勝って何も言わない。
一度部屋に向かおうと、階段を登っていく私の後ろ姿を見つめる南朋は、
「……久しぶりに見たな、美桜の嬉しそうな表情」
そう、一人で呟いた。