「……気にして欲しかった。こいつ,俺のことほんまはどう思てんやろ思おたら,思い付いたままやめられへんやった」
そんなことやろうとは思ってた。
でも,ブラックジョークが過ぎるんよ知己のあほ。
「なら,許してあげる。そんかし合コンの予定はきっちりキャンセルな」
「……おう,当たり前や」
「じゃあ,もうあたしもどこにも行かへん。手,まだ離してくれへんの?」
「あとちょっとだけ」
そんなん言われたら,断れるわけない。
泣かされたんも,全部許すしかない。
でもそれだけなんは悔しいから
「今日のこと,これで全部チャラや」
私の肩を挟むようにして顎で挟んでた知己。
私はその顎をくいっと上げて,軽くキスをした。
「なんや,安いもんやろ?」
笑ってやると,口をすぼめて頬を赤らめた知己は
「ありがとお」
ゆっくり目を閉じて,私の唇を奪う。



