「そんなん断り,何度も言うけどな,あたしを呼んだん,知己の方なんやで?」

「仕方ないやろ,人数足りいへん言うんやから。そんかしこの部屋,貸しとったるわ」



あたしに? この部屋を?



「それあたしに何の特があるん」



たった1人部屋だけ借りて,自分の部屋でもないのに休まらんわ。



「合コンて,あんた何するんかちゃんと知ってるん? 恋人になるかもしれへん人の集まりやで? 
あんたにその気がなくてもな,相手はちゃうかもしれへんやんけ。あんただって,思いがけずっちゅうこともあるかもしれんのやで?」

「わーかっとるわ,俺を一体いくつやと思っとるや璃空」

「じゃああたし,自分の部屋に置いといてええの? カワイー子見っけてもな,あぁあいつがおるわって,なるに決まってるやん。もしかしてアホ?」

「そんな気ぃの早いこと起こらんわ。中学生みたいな事言うなや」



そうは言うけど,やっぱりあんたはアホや。

あたしの気持ち,ぜーんぶ知っとるくせに。

あんたもあたしの事,少なからず想っとるくせに。