ピシャアアァァーーーンッ! ゴロゴロ……。


 雷鳴が轟いた。


 …………えっ? なんて? なんで?



「来ないで、ください」



 ねっ、念押し!?



「ガガーン! スイくん、先輩が悲しんでるけどいいのかな!?」

「……別に、悲しむことじゃなくないですか」



 頭の中が真っ白になる。


 ア……ウアア……。なんてことだ。


 全然……なつかれてなんて……いませんでした……。


 爆裂恥ずかしい……勘違いでした……っ!



「今度は俺から、緋織先輩の教室に行きますから」

「えっ……」

「今日も俺から行こうと思ってたので。すれ違いになったら、困りますよね」

「えっ、えっ」



 ちょっと待って。


 ほんとに悲しむことじゃないかも……!?



「私に会いたくないってことじゃないんだね……っ!?」

「……会わない日なんてないのに、何言ってるんですか」

「が、学校では……?」

「…………そんなの、」



 目を逸らして。


 不機嫌そうに。


 私にだけ聞こえる音量で。



「……会いたい、ですよ」



 パアアァァーーーンッ! パラパラ……。


 花火が咲いた。