奈落の果てで、笑った君を。





ノブちゃん。

今度はそんな言葉に面白くて仕方がないみたいだ。



「まだ身体がぜんぜん熱いね。もう数年ばかしは、ここで様子を見ましょうか」


「え…、よろしいのですか佐々木さん」


「君も曲げるつもりは無いんだろう?尚晴」


「…はい。ありがとうございます」


「それと、いいかげん盗み聞きはやめなさい。早乃助、それからノブちゃんまで」



声をかけたのは只三郎だったけれど、すぐに襖を開けたのは尚晴。



「あっ、やっぱしバレてましたー?てか佐々木さんまでノブちゃん呼びはやばいって、はははっ」


「…すみません。僕もちょっとだけ心配していたので」



苦笑いをするノブちゃんと、楽しそうに笑っている知らない人。



「ノブちゃんのお隣さんはどちらさまで?」


「あ、俺?俺はねー、桂 早乃助さまで」


「かつら!」


「……なんで俺だけ苗字なの?寂しすぎー」



尚晴、ノブちゃん、只三郎、桂。

まだまだたくさんの男たちが住んでいる、この大きなお家で。


おれは、おっと間違えた。

ぼくは、ううん、これも違うね。


わたしは、かなり長引く風邪を引くことになりました───。