奈落の果てで、笑った君を。





すれ違う子供たちはみんな笑顔で手にしていた。

ふーっと息を吹きかけると、くるくると回る花びら。



「ふーっ」



弱く吹くと、ゆっくり回る。

反対に強く吹くと、速く回る。


回るたびに「ありがと!」と言うわたしの横で、へーすけは問いかけてきた。



「……おまえ何歳?関わってると3歳にしか見えねーんだけど」


「15だよ?」


「…マジ?オレと4歳しか変わんねーし…」


「まじ!」



そろそろ見慣れた橋が見えてきた。

でもここから尚晴がいる家までの帰り道も分からないことに、ちょっとだけ不安。


へーすけは立ち止まって「んじゃあオレはもう…」と、言いかけたとき。



「───朱花!!」



息を切らした大きな声。

それまで聞いていたものからは想像ができなかったため、彼のものだとは最初思えなかった。


駆けてくる姿を確認してはじめて、尚晴だと理解する。