「お嬢ちゃん、ここが君の家かいな?」
「うん」
「はははっ!こりゃまた立派や!壁も屋根もあらへん!」
なにも面白くないのに笑っていて、かなり変なことを言っている。
確かに壁はないけれど、屋根ならある。
この大きな橋は雨からも守ってくれる立派な屋根だ。
そう言うと、余計にギャハギャハと笑い出した男の腰には昼間に目にしたおれが欲しかったもの。
「あっ、それどこに売ってる?」
「んあ?」
「その、腰の!おれも欲しい!」
「おれ?はははっ、なんやこいつ!」
へーすけは、この町に売っていると言っていた。
だからおれはこの町に来たこと、そういえばすっかり忘れていた。
「どーせ金は持ってへんやろうし、身体だけ使わしてもらうか」
「そうやな。ほら嬢ちゃん、着物脱いでみよか」
「どうして?」
寒いよ、そんなことしたら。
それにこの着物は大切な人から貰った贈り物だ。簡単に誰かにあげてしまうと、あの人がまた怒ってきそう。



