奈落の果てで、笑った君を。





それから何度も何度も重ねて、そのたびに尚晴の言葉にはしない想いが言葉以上に伝わってきた。


絶対に離れない、離さない───、


そんな気持ちを感じたくて、何度も何度も欲求したわたしは、悪い子。


くらくらする…、

気持ちが良くて、大好きって何度言っても言い足りないほどに溢れてくる。



「尚晴、だいすきだよ」



そう言うと、深くて甘い口づけとなって返ってくる。


どこまでも逃げて、逃げて。

ようやく誰も追ってこない場所にたどり着くことができて、けれどそこは地獄の先、奈落だったとして。


そんな奈落の果てが、終着点だったならば。


それでもわたしの隣に尚晴が居てくれるのなら。

あなただけが変わらず居てくれるのなら。


わたしは何もつらいことなんかないよ。
苦しいことだってない。


だからわたしは、奈落の果てだとしても笑えるんだ。



「我ら中町奉行所の者なり!!そこを動くな化け物…ッ!!!」


「捕らえろぉぉぉーーーー!!!」



それから数日経った日───、

わたしたちの動きを封じ込める声が、ぐるりと囲んだ。