「どんなに大きな火があったとしても、ずっと燃えつづける火など存在せん。たとえ途中で薪をくべたところで、それが少し長いか短いかの違いであろう。
いつか必ずや消える。それが命の宿命じゃ」
じゃあぼくの命は、火に薪をくべられたようなものなんだ。
ただそれで、自然よりは少しだけ長く燃えつづけることができるというだけ。
そうだ、ここまで成長しているんだ。
歩けない赤ん坊ではない。
自分の足で、東の京から京の都まで来たのだから。
「ここ、いいね。わたしもここに住もうかな」
「ここは危ないぞ。見廻組とやらが警護してはいるが、辻斬りも増えておる」
「つじぎり?」
「刀を持った者が罪もない弱者を私利私欲で傷つけることじゃ。向こう側の橋の下にしなさい」
「わかった!またここにも会いに来ていい?」
「…好きにするがよい」
大きな川が流れている京の都は、いくつもの橋があった。
ここの橋はおじいさんの橋なのかもしれない。



