奈落の果てで、笑った君を。





それでもそうしたということは、そこに懸けたかった思いがあったのでしょう。



「嘘……だろ…?桂が……?おいっ、斎藤…!!ふざけんなよ!!」


「つまんねェ冗談言ってんじゃねえ!!あいつが死ぬわけねェだろ……!!」


「お前が桂を斬ったんだろう斎藤ッ!!俺たちの目を誤魔化せると思うなよ!!!」



感情が、高ぶる。

男たちは一斉に斎藤へと詰め寄った。



「───やめろッッ!!」



私がこうして叫ぶことは、もう珍しくもない。

けれどピタリと静けさが広がり、またもやすべては現実なのかと誰もが信じるしかなかったのは。



「……ささ、き……さん」



頬に流れる、一筋。
隠しきれはしない、涙。

それを見つけたノブちゃんの震える声。


拭うことすらせず、私は見廻組与頭として立った。



「すまないね斎藤くん。…報告、ご苦労。
君は新撰組として、己の任務に戻りなさい」


「……失礼します」



早乃助、私はあなたが可愛かった。
最初から生意気な君が、可愛かった。


それでも君は私のことが嫌いだったことは知っているよ。

太陽の仮面を取り付けた非道な人間だと思っていたことも。