彼らの象徴である浅葱色を身につけてはいない斎藤 一という男は、新撰組内で監察の役目も受け持っており、今も別の目的のため別行動していたのだろう。
足早に向かってくる斎藤は、どこかそれまでと顔つきを変えて確かな情報を伝えてきた。
「桂 早乃助は……新政府軍、野営地付近の道中にて…、戦死しました」
ざわめきすら起きなかった。
言葉が出ないとは、まったく困ったものだ。
それは誰の情報なのかと疑ってしまったほど、どうにも“戦死”という言葉には結び付かない名前なものだから。
「……ふたりの、若者は……そばに、いませんでしたか」
こんなにも話すことが難しいとは、驚いた。
いつも冷静を装う私が、少しのことでは動揺を見せない私が。
「尚晴と朱花は……そこに、いませんでしたか」
「…いえ。見ていません」
「……そう」
助けた───…のですね。
早乃助、あなたがその道を選んだことは、何かしらの理由があったのでしょう。
新政府軍の野営地など、あなたはそこまでして自ら危ない橋を渡ろうとする人間では無かったはずだ。



