奈落の果てで、笑った君を。





「俺の…ながす、血が…、なみだ、が……、いずれ、の……未来を、つくる…って…、」


「いずれの……未来?」


「…だって…、敗者が、居な…ければ……、勝敗は…、成り…立た…ない、だろう…?」



敗者になることで道標(みちしるべ)になるかもしれないんだ。


俺の流す血が、あのふたりの行く先を案内してくれるきっかけになって。

俺の流す涙が、あのふたりの前に阻む泥を洗い流してくれるかもしれない。


そんなふうに思うと、敗者だって悪いものじゃないって感じるんだよ俺。



「おれは…認めない、よ……、左利き…の、…剣士……なんて、」


「…なら、どうしたら認めてくれる」



ああ、もう、つかれた。

まさかこの男の腕のなかで生を終える日が来るなんて、それこそ屈辱だけど。


でも俺たち(見廻組)は、お前ら(新撰組)が居てこそ成り立つんだ。



「……生き…、ろよ…、こうして、死んでいく……なかまの、ぶんも…、この戦争を、生き…抜いて……、
この世…の、残酷…さと、無常を…、後世にずっと…語り継いで……、いってよ…、斎藤…」



残酷だ。
ほんとうに、残酷だ。

どんなに俺みたいな奴らが死んでいったって、時間は進んでいくんだから。