奈落の果てで、笑った君を。





本当は武家の生まれなのに周りに豪語せず新撰組として生きているこの人は、すごく格好良いと思った。



「じゃあキョクチョーは嬉しいね!新撰組にも武士はいるって!」


「…どうかな。僕が人を斬るたびに、近藤さんは悲しい顔をするから。だからいろいろ分からなくなっちゃってさ」


「…キョクチョーがなりたかった武士って、人を殺すことを言うんじゃないってことかなあ」


「……そう。ただ僕がそれに気づいたときは、もう遅かった」



誠の、武士。


今からでも遅くないはずだ。

たとえ病気だとしても、誠の武士として最後まで生きることはできる。


こうして新撰組の人間とゆっくり話せて、とても有意義な時間を過ごせた。



────それから数日後。



「尚晴、朱花。今から命令を言い渡します。よく聞きなさい」



見廻組、前線で戦う新撰組の援護の準備を頼む───と、上からの命を受けた昨夜のこと。


もちろん誰もが断る意思など無かった。

あんなにも新撰組はここまで京を、わたしたちを守ってくれたのだ。


だったら今度は見廻組の番だろう、と。