奈落の果てで、笑った君を。





「とうとう薩長が京に押し入ったらしい」


「なら次はここか…、やっぱし負けてんじゃねェかよ幕府…!!」



どんどん迫ってきている。


迫ってくる軍に対抗したくともできず、逃げるしかないのは。

武器が違いすぎたからだ。

銃の性能をこちら側は少しも理解できていなかったからだ。


遠くからでも発泡してしまえる銃に対し、わたしたちは刀や槍で立ち向かう。


これを聞いて誰が得策だと首を縦に振るのだろうか。



「近藤局長、あまり無理はなさらず」


「せめて無理くらいはしたいんです。…前線で戦ってくれている仲間のためにも」



そしてこの大坂城に、数日前から新撰組の局長と数人の隊士がやってきた。


右肩を銃で撃たれてしまった近藤 勇は、包帯だらけの身体を動かして毎日のように木刀を振っていた。

そんな彼に話しかけるのは、決まって只三郎。



「今は治療を第一に考えることが仲間のためだと私は思いますよ」


「…ええ、承知してはいるのですが。何せ俺は農民の出だからか昔っから頑固なもんで」


「……申し訳ない。私はあなた達に無礼ばかりを働いた」


「ああ、いえいえ。農民が武士にはなれない、それは正しいことですから」