「し、仕方なくだったんです…!俺だって本当は殺したくなんかありませんでした…っ」
「どの口が言うのだ…ッ!!!」
「っ、」
「新撰組が身を呈(てい)してまで我ら見廻組を助け、大坂に逃がしてくれた恩を!!!おまえは仇(あだ)で返すつもりなのか……!!!」
そしてここまでの怒り声だって。
只三郎らしくない。
でも、本当はいつだってこんな情熱を胸に隠していたんだろうなって。
命が懸かっているんだ。
どんな行動にも、誰かの命が。
「せめて武士として立派に腹を切るか、無様に私に首を落とさせるか。…選びなさい」
「───…」
彼が選んだ道は、前者だった。
その日、その場で、短刀を持たされた男は切腹を実行させた。
その瞬間だけは尚晴と桂に視界と聴覚を塞がれてしまったわたしは、終わったあとに倒れている仲間を目にすることもなく。
これはわたしに対する無言の言葉なのではないかと、受けとらざるを得なかった。
この先なにがあろうと、見廻組はそれくらいの覚悟なんだよ───と。



