奈落の果てで、笑った君を。





お金のために仲間を殺したの…?

お金なんかのために、今まで過ごしてきた時間に刃を通したの……?



「これは私からの命令です。…腹を切りなさい」



この場を見つめていた全員が只三郎へと目を開いた。



「聞いてください佐々木さん…!ほんの一時の欲に流されたとは承知しています…っ、ですが俺は怖かったんです…!
朱花を庇うことで幕府の敵になるんじゃないかって…っ」


「そんなことを聞いているのではありません。今、この世の中がどんなに苦しいか分かっているのですか」


「…わかって…います」



とても、とても、悲しい顔をしていた。

只三郎のそんな顔は初めて見た。



「今いちばんにすべきことは、ひとりも欠けることなく誰もが手を繋ぎ合うことです。
今まで共に過ごしてきた私たちの日々は決して……無意味などでは無いはずでしょう」



雪合戦をして、お餅をついて。
花火を見て、年を越して。

とくべつ何かが無い日だとしても、必ず毎日の生活はドタバタと忙しかった。


そしてそこには、みんなの笑顔があった。