奈落の果てで、笑った君を。





「ですが京は…」


「───俺たち新撰組が守る」



ずっと差し出されたままだった新撰組局長の右手に、見廻組与頭の右手が合わさった。

そうしてわたしたちは大坂へと下ることになる。



「着物はここに置いていこう」


「え、でもそしたら無くなっちゃう…?」


「ここも戦場になるだろうが、建物そのものが全焼とはならないはずだ。もしそうなったとしても安全な場所に隠しておく」



尚晴に出会う前からずっと身につけていた、江戸のときからの着物を脱いで、走りやすい袴姿に変わった。

それはわたしが女であることを隠して生きるためでもある。



「いつかまた戻ってこよう。…一緒に」


「うんっ!」



桂から贈られた草履を履いて、わたしたちは大坂城へと向かった。

この京の町には誰よりも頼れる見廻組の兄弟がいる。


だからぜったい大丈夫なんだ。


大坂城へ着くと、そこは幕府軍の基地となっていた。

最初は見廻組のことを快く受け入れてくれたが、日が経つにつれて噂はどんどん広まってしまう。