奈落の果てで、笑った君を。





「佐々木殿、俺たち新撰組は見廻組の味方ですぞ」


「近藤局長…」


「俺たちはどうしたって幕府のために戦わなければならない。たとえそれが…この世に望まれていない道だったとしても」



そう言って、只三郎へと手を差し出す。



「ですが、俺たちの心が己のために、誠のために戦う思いさえあれば……この戦、必ず何かの光が見えるはずだ」


「…誠の、ため」


「はい。一緒に戦いましょう、己の誠のために」



たとえ本物になれなかったとしても、誠の武士にはなれるはずだ。

誰にも負けない、本物の武士にも負けない、誠の武士に。


それが彼ら新撰組なんだと、へーすけの強さも今の近藤 勇の言葉のなかに込められている気がした。



「お前ら見廻組はここを離れたほうがいい」


「離れるとしても、どこに…」


「先に大坂城へ行け。あそこが落ちたら本当に終わりだ」



気づけばわたしと尚晴もみんなの場所に立っていた。

新撰組の副長である男の提案に、動揺を見せたのは只三郎。


ここはもう危ない。
次は京にどんどん攻め入ってくるだろう。